ゆっくり歩いて、二十分ほどで先輩の家に着く。


「先輩……何時頃までいていいですか?」


「俺は別に、いつでもいい」


そっか…。

じゃあ五時半くらいにしよっかな。

日が落ちる前にね。


あと二時間半くらいか。


「……。せーんーぱーいっ!」


「ん? …っお…っと…」


買った服を脇に抱えたまま、思いっきり胸に飛び込んだ。、


「どうした…?」


「……えへ」


パッと頭を上げて、あたしを見下ろす先輩の顔を覗き込む。


「先輩はいっ」


「?」


そして、抱えていた袋を差し出した。


「さっき買ったやつじゃ…」


「はい」


ガサッと袋の口を開け、覗き込む先輩。

ドキドキしながら見つめた。


「あの……お礼なんですけど…」


遠慮がちにそう言うと…。