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――――……


ピピピ…ピピピ…ピピピ……



「う~……ん…」



カチッと目覚ましを止めて、寝起きでぼやける視界に時計を入れる。

その瞬間、あたしの意識は覚醒した。



「は!?」


ちょっ、ありえないんだけど! 八時とか!


ガバッと起き上がり、いつぞやとは違い猛スピードで着替える。

いくら学校とうちが近いとはいえ! こんなの間に合わない~~!



バタバタバタ…と足音を立ててリビングへ行くと、のん気な顔でソファに寝そべる那智兄がいた。


「おー悠由。お前なにやってんだ?」


「見て分かんない!?」


「…………トイレか?」


「ざけんな馬鹿兄貴!!」


「うお……」


ついつい悪くなる口。

でもこの状況であの台詞じゃ、仕方ないと思うの。



「いってきまーーーすっ」