躊躇う悠由を言いくるめ、(明らかに俺のものじゃないけど)ゼリーを食わせた。


「……はむっ」


「……」


本当に幸せそうな顔して食うなこいつは。

気に入ったか気に入らないかが手に取るようによく分かる。


頬杖をついて、食べ終わるまで眺めた。


「…で、どこまで聞いた?」


「ふん?」


スプーンを咥えたまま首を傾げる。


「千絵からか薫からか知らないが…聞いたろ?」


「え、う……」


だから分かりやすいなおい。


「別に隠してるわけじゃないからいい」


「す、すみません」


しゅんとなる悠由の髪の毛をつつきながら、静かに語った。

四年前のことや今回俺が危惧していたことを、改めて。



話し終えたとき、悠由は一言「…そうですか」とだけ言い、俺の肩に頭を乗せた。


不覚にも……不覚にも、涙が出そうになった。