「昨日つけてきたっつって、場所が知られた。恐らくそれで今日使ったんだろう」


「え……?」


なにを言ってるのか、理解できない。

先輩の口から紡ぎだされる言葉が…分からない。


「悠由聞け。俺は…お前に惚れた。お前の猫みたいなつかみどころのないところも、すぐ泣くところも、へんな妄想癖も、全部だ」


「……」


「俺は嘘はつかない。…お前のすべてが…好きだ」


「っ……」


コクリと喉を鳴らす。

好き……好き?

誰が誰を?

なに……?


「俺の女になれよ…悠由」


「…!!」


飲み込んだ。

先輩の言葉をすべて、ようやく飲み込んだ。


「…う……そ…」


途切れ途切れに声を落とす。

辛うじてそれだけしか言えなかった。


「嘘じゃねーっつってんだろ」


後頭部に手を当て、優しく抱きしめる。