「っ!!」


そんなあたしを無理やり抱き寄せる。


「やだあっ……やだ…!」


首を振って押しのけようとするけれど、びくともしない。

そんなとき、先輩が…掠れた声で、呟くように言った。




「なれよ……俺の女に」





「っ…!?」


なに…言ってる、の…?

なに言ってるの!?


「あたしっ…」


「今日は俺は、あの部屋へ行ってない」


「え……?」


しっかりとあたしの目を見て、先輩は言った。

その目は…とてもまっすぐで。

とても嘘なんて見えはしなかった。


「俺は、行ってない。どっかの女を抱いてたのは俺のダチだ」


「だ……ち…?」


すっかり暴れるのをやめ、荒い息遣いで先輩を見る。