馬鹿が……!

俺を信じろよ……。


…っつーのはまあ、無茶な話か。


あんだけ遠慮なくキスまでしたんだ。

信じろっつーほうが無茶だ。


そして悠由は恐らく……あそこにいる。


半ば確信を持って、久しぶりに走った。

階段を飛ぶように上がると、案の定開いたままの屋上。


やっぱりな…。


ほとんど勘だったが、当たりだったようだ。





「悠由!」



しゃがみ込んで頭を抱えているあいつに駆け寄った。



「先……輩…」



ゆっくりと頭を上げた悠由は、真っ赤な目でそう呟いた。


その顔を見て…胸が痛む。

こいつにこんな顔をさせてしまった。

させたのは俺だ。


悪い……悪い。悠由…。