大声で叱る伊東に、楓は平然と速答する。
その態度が益々伊東の顔を赤くさせた。


「ど、どうやら君には常識というものを教えなくてはならないようだ!明日から私の講義に「断る」


伊東が言い終わる前に楓が口を挟んだ。


「講義をすることについてどうこう言わん。せやけど、この物騒なご時世に必要なのは知識じゃない。
人を斬る度胸と戦を戦いきる体力やとうちは思っとる。それは経験によって養われていく。
うちにはあんたの卓上だけの教えは必要ない」




「……っ!」



伊東という知識人を意図も簡単に楓は丸め込んでしまった。