昼下がりの河川敷。
平日のこんな時間にのんびり出来るのは何年振りだろうか。土手の川側ではジョギングする人、キャッチボールをする人、寝てる人、様々な人がいる…
土手を降りてみると、ベンチがあった。ベンチは最近塗り直したのか、思いの外綺麗だ。腰掛けて、意外と重かったリュックを置き、手帳を取り出す。先月まではびっしりと予定が書いてあって、休みが一日もなかったみたいだ。自分の事ながら振り返ると苦笑いしてしまった。

今月は真っ白だ。

何も予定がない。少し物寂しく思いつつも、何故か充実感はある。

そう。どちらでも良かったのだろう。

きっとそうだ。

















いくら?

深夜の繁華街で、待ち合わせた男に聞いた。意外と安かった。
1月のバイト代で買える額だ。金を渡すと持っていたマクドナルドの紙袋を渡された。
なるほど。これなら抱えていても自然だ。金を丁寧に財布にしまうと男はそそくさと人混みに消えて行った。
意外と重かった。

いや、期待したほどの重量感は無かったと言うべきか。

とにかく、アレを手に入れることが出来た。
何故欲しくなったのだろうか。いつでもやれるっていう危機感を持ちたかったんだろうな。
アレを抱き抱えながら、家へと帰った。袋から取り出し、机の上に置く。使い方はネットで調べていたから分かっている。
こんなにも落ち着いている自分が少し怖かったけれど安心もした。

今日はよそう。

そう思い、ベッドへと向かい倒れこんだ。
やっぱベッドの上が一番落ち着く。そう思った途端、急に眠くなってきた。
今日はもう寝よう。