自分の家に帰った後、考えてみる。
 
美紀ちゃんは、明るくて可愛くていい子だ。それに素直で…
なおかつ俺の事を好きだって言ってくれてる。
 
 
『…何がひっかかってるんだろう』
 
 
美紀ちゃんの事を考えている今も、頭の中で、もう1人の女の子が笑っている。 
 
はにかんだ笑顔。
酔って具合が悪いくせに、気を遣(ツカ)って周りに迷惑かけない様に振る舞う優しさ。
…あの公園で、逃げて行った時の後ろ姿…。
 
 
美紀ちゃんに告られた後なのに、キナちゃんの顔が浮かんでいる俺は、最低な奴だろう。
どんだけしつこいんだろ。俺。
 
付き合ってすら無かったのに。
ただ惚れてたってだけで、こうも夢中になれるもんなんだろうか。
 
 
「はぁ…」
 
 
考えるのが嫌になって、ベットに転がり、ボーっとしてたら、窓の外から朝日が差し込んで来ている事に気付いた。