「迷惑かけて、ごめんなさい…。折角の歓迎会だったのに…」
 
 
キナちゃんは、皆にそう言いながら、頭を下げた。
 
 
「いやいや、優ちゃんがまぎらわしい所に酒置くからイケナイんだし、キナちゃん気にする事ないからね!」
 
「そうそう。優夜が酒頼むからイケナイんだって!」
 
 
麻衣子さんに便乗して、沖君までもが、そんな事言い出した。
 
 
「送り狼になるなよ(笑)」
 
ボソッと、俺にしか聞こえない様に、藤澤さんがからかって来た。
 
 
「ちょっ…藤澤さん!!なりませんよ!」
 
 
慌てて、小さい声で否定した。
 
 
“俺が気に入ってる事、ばらしたな!”
 
 
的な目で麻衣子さんの方を睨むと、
 
 
「「じゃあね!」」
 
 
と、藤澤さん麻衣子さん組は帰って行った。
 
 
『逃げたな…』