「名前、何にしようか?」 
 
そう、俺が聞けば、
 
 
「もう決めてあるんだぁ」
 
「何ての?」
 
「優夜の“優”と、美紀の“紀”で、
“優紀”ってのどう?女の子でも、男の子でも大丈夫じゃない?」
 
 
そう言い、腹をさする美紀の表情は、母親の顔をしていた。
 
 
いとし美紀。
もう1人、俺には愛おしい存在が出来た。
 
 
「早く出て来いよー」
 
「ふふ、何それ」
 
 
まだ見ぬ我が子の為に、買って来たオモチャやベビー服。
広げて美紀に見せたら笑われた。
 
元気に生まれて来てくれよ、優紀。