「美紀ちゃんカナリ心配してたよ?連絡した?」
 
「…あ、うん。さっきメールしといた」
 
「そっか」
 
「うん…」
 
「つーか、何処に行きましょうかね」
 
 
かれこれ1時間近くは走り続けているだろう。
宛もなく、ただグルグル市内を回っている。
 
 
「ファミレスでも行っとく?」
 
「稔の家とかは?その方が優夜くんも楽なんじゃない?」
 
「そっか!優夜、それでいい?」
 
「俺はいいけど、おばちゃんとか大丈夫?」
 
「平気平気!行き先決まって、俺もその方が助かる」 
 
行き先が決まって、稔はホッとした様子で車を運転している。
 
俺は今から何を聞かされるのかと、頭の中でグルグル考えが回り、痛い頭が余計に痛くなりながら、外の景色を眺めていた。