メールを見終わったと同時位に、稔から着信があった。
 
 
「あいよ?」
 
「着いたよー!用意出来た?」
 
「おう、待ってて!今から行く」
 
 
電話を終えて、携帯を閉じて、ジーパンの後ポケットに財布、トレーナーのポケットには鍵、携帯、タバコを入れて、部屋を出た。
 
 
「あら?あんた何処行くの?」
 
 
1階に降りると、頭痛薬と水をオボンに乗せて、階段を上がろうとしていた母親が居た。
 
 
「稔に少し会ってくるわ」
 
「あ〜、ならコレ飲んで行きなさい。頭痛いんでしょ」
 
「さすが。さんきゅ」
 
 
母親から薬を受け取り、薬を飲んだ。
早目に帰る、
と伝えて、擦り寄って来たキナコを撫でて、家を出た。