歓迎会当日。
 
 
6限終了のチャイムが鳴ると同時に、急いで教室を出る。
 
 
「頑張れよ〜!」
 
「おう!」
 
「またどーなったか教えて〜」
 
 
なんて、稔の励ましを貰い手を振って帰った。
 
 
『風呂入って、昨日用意した服着て、あのお気に入りの香水つけて…それから…』
 
 
向かい風にも負けず、木枯らしが吹く、この寒い季節でも、俺の心の中は常夏の様にホクホクしてた。
 
必死に自転車を漕いでいるから、冷たい風がモロに顔に当たるが、そんなの気にもならなかった。