「ねぇキナコそっちにいる〜?」
 
 
母親に呼ばれたと同時に、キナコはドアを開け、出て行った。
 
 
『えっ?それはなくね?今まで仲良く寝てたじゃん』
 
 
エサに釣られるなんて薄情な奴だな、と思いつつ、ドアを閉めに行く。布団から出るのは寒くて堪らない。人肌が恋しくなる季節だな…なんて黄昏れていたら、ケータイが鳴った。