「…えっ?優夜くん?」
 
 
自分でも無意識の内に、キナちゃんを抱きしめていた。
 
腕に納まる位、小さな体。体も冬の寒さで冷たくなっていて。
 
 
『稔の彼女だって知ってて、こんな事してる俺は最低な奴だな…』
 
 
俺は、意外にも冷静で。
 
 
“もう会うのは止そう”
 
 
そう決心して、腕の中に抱いていたキナちゃんを離した。