「さんきゅーな。…もうちょい、よく考えてみるわ」
笑顔で俺は、そう言えた。正直、稔がキナちゃんとキスしているという事を聞いて、焦って胸の奥が締め付けられる様な、足元から体中が凍る様な、そんな自分が居たのも事実。
でも、いつもヘラヘラしてる稔が、語ってくれたのを、本気で嬉しいと思った。
「出るとしますか」
「食い終わったしな」
店を出たら、
「まぁ俺、美紀ちゃんの事聞こうとしてただけだしよ。これで帰るわ」
「飯しか食ってないな(笑)。お前暇なんじゃないの?」
「正直俺、カラオケ終わってから寝てねんだわ(笑)。もうギブ!電話じゃあれだし、優夜と会って話そうと思っただけだしよ。…そんなにアタシと一緒に居たいなら、うち泊まって行く?優夜くん(笑)」
「…じゃ!」
「嘘だって!本気にすんなって。まっ、あれだ。1人でゆっくり考えるんだな。じゃあ、またな」
そう言って、稔は駅の方へ歩き出した。
「稔!ありがとな!」
稔は振り返らずに、腕を軽く挙げて、手を振った。
『アイツには敵わねぇや』
本気でそう感じた。
笑顔で俺は、そう言えた。正直、稔がキナちゃんとキスしているという事を聞いて、焦って胸の奥が締め付けられる様な、足元から体中が凍る様な、そんな自分が居たのも事実。
でも、いつもヘラヘラしてる稔が、語ってくれたのを、本気で嬉しいと思った。
「出るとしますか」
「食い終わったしな」
店を出たら、
「まぁ俺、美紀ちゃんの事聞こうとしてただけだしよ。これで帰るわ」
「飯しか食ってないな(笑)。お前暇なんじゃないの?」
「正直俺、カラオケ終わってから寝てねんだわ(笑)。もうギブ!電話じゃあれだし、優夜と会って話そうと思っただけだしよ。…そんなにアタシと一緒に居たいなら、うち泊まって行く?優夜くん(笑)」
「…じゃ!」
「嘘だって!本気にすんなって。まっ、あれだ。1人でゆっくり考えるんだな。じゃあ、またな」
そう言って、稔は駅の方へ歩き出した。
「稔!ありがとな!」
稔は振り返らずに、腕を軽く挙げて、手を振った。
『アイツには敵わねぇや』
本気でそう感じた。