「俺さ、アキちゃんと付き合う前までは、可愛いなぁとか、綺麗だなぁとしか思ってなかったんだよ。まぁ、好きだったから、告って付き合った訳だけど」
 
 
喉が渇いたのか、稔はミックスコーラに手を伸ばした。
 
正直、稔のこんな真剣な顔を見るのは、久し振りだった。
 
 
「でな?やっぱりチューとかしてく内に、益々好きになってってさ。付き合ったの初めてじゃん俺?初めての彼女が、アキちゃんで良かったってマジで思う。
…って、あら?何か俺の惚気(ノロケ)になってねぇ?(笑)」
 
「…ほんとにな(笑)」
 
「何か話したい事が纏(マト)まってねぇや(笑)。まっ、何が言いたいかってのはだな、最初は軽い気持ちだったり、本気になりきれてなくてでもな、時間重ねてけば、愛しい存在に変わる事もあるって事だ」
 
 
まっ、俺は初めからアキちゃんに本気だったけど。
 
そう続けて笑った稔が、少しかっこよくも、羨ましくもあった。