「それよりも、どうしてそんなことを聞くんだ?」

首を傾げながら父親が聞いてきた。

「何となく、知りたくなったって言うか…」

呟くように、俺は答えた。

我ながら、言い訳にもなっていない。

「そうか」

父親はそう返事をしただけだった。

じゃあ、大学時代の三島祐樹と言う人は一体何者だったのだろうか?

父親と母親は、お見合い結婚だった。

しかも父親と彼は同姓同名である。

こんな偶然があるんだろうか?

それよりも俺が気がかりだったのは、莢のことだった。

どうして、莢がこんなにも気がかりなのだろう?