ペタペタと鳴る サンダルの足音
その後ろを、四人でついて行く


長い廊下
両脇にある病室には
かなり高い位置にある、小さな覗き窓




―― そこから目だけが覗いていて

オレ達の後をずっと追ってる





背は、ミツコより少し高い位の比奈


「 あの、看護士さん
ケーキって、渡しても平気ですか?」


「 大丈夫ですよ
伊藤さん、甘いの大好きみたいだね〜 」


そんな感じで
看護士さんとにこやかに話していて
それに気が付く事なく通り過ぎた





名札があり
「 ここですよ 」と声をかけられ

比奈が

「 あ!! 」と大きな声をあげた



「 どうしました? 」


「 あ あの!
フォークとか、無いですよね?
私、買って来るの忘れちゃって 」


すると看護士さんは、ニコリと笑い

「 ―― フォークはダメですよ 」



「 …… え? 」



戸惑う比奈から目を戻し

看護士さんは
再び鍵を、ポケットから取り出して
その部屋のドアを開いた