話し合っていると
次々に教室から声があがって
皆、廊下の隅に固まる



" いざ本番になれば
楽しみたくはある
でも自分が準備するのは面倒クサイ '


学校行事に自ら進んでってヤツは
あまりいない

だからって案が出ても文句だけは言う



それがなんで、こんなに
盛り上がってるのかと言えば ――


やっぱり その原因は、花さん


実は一番、
映画村を楽しみにしていたのは彼女で

『ならいっそ二学年全部で
映画村やっちまえばいいじゃん』

そういう話になった




一組は
"多分、展示"って感じだったんだけど
化石収集マニアがいて
そこから地球の歴史が始まる


ウチのクラスが
新撰組の寸劇で
佐和子達が縫っていたのはその衣裳


後は、メイド服着た喫茶店が
明治時代をコンセプトにしたり


だから二学年の廊下を進むと
時間旅行出来る感じになる





「 花さんさ、喜ぶかな? 」


「 一応、保健所への届けとかあるから
喫茶店やるとかは提出してあるけど
コンセプトは話してないからな〜

しかも、二学年全体なんてさ 」



皆ワクワクしながら職員室に
本決まりになったプリントを
提出しに向かう





「 真木!! みてみて! 」


「 お? 比奈 」