「 だから〜
もう謝らなくていいって〜

うちらは花さんが無事だったんだから
それでいいの! 」


「 うんうん! 」





―――― 学校 中庭

前にも増して人の増えた昼メシタイム


その真ん中で花さんは
修学旅行を中断させてしまった事を
昨日も謝っていたのに謝るから
クラスの女子達に、説教を食らっていた





花さんは
倒れた翌日、意識を戻して
原因は、旅の疲れで
血圧があがった事かららしい

後は少し
薬の飲み合わせも原因



でもこれは、ただでさえ佐和子達は
自分達が引っ張り回したからだと
一晩中泣いていたから、ヒミツ



学年中が心配して

朝方、真田から『 もう平気 』の
連絡が来た時には
ホントに響き渡る様な
大歓声があがった





「 真田、もっとこっち来いよ 」



「 真田〜 お弁当持って来た? 」



「  う、うん  」




オズオズと、チェックの弁当箱を抱く真田

湯浅がニコニコと、隣に場所を空けた




あの日から真田は

様子を語り広めた佐知子達や
体操部 りっちゃんから
運動部の隅々に流れて行って

誰がいい始めたのか
" 真夜中のヒーロー "とあだ名がついた







「 あれ? 那智くんは?
ここ何日か、来ないね 」



" 塩分控え目
ヘルシー弁当 "に変えた花さんが
那智の姿を捜して
キョロキョロと辺りを見回す




「 女と食うって 」

那智に、
もし聞かれたらそう言ってくれと
いわれたセリフをそのまま伝えた



「 なるほど〜! 」




真田はかなり嬉しそうに
包みを開いて、弁当に箸を進める