「 真木!! りっちゃん呼んで来たぞ! 」
「 どっ どうしたの?! 」
「 ごめんな りっちゃん 寝てたか? 」
「 ううん 起きてたけど…
花さんこの中にいるの?! 」
「 おう
んで頼みがある 」
「 や、わかる ―― 上から入って
鍵あけりゃいい感じ? 」
「 おう 前もやってくれたもんな
学祭で鍵ぶっこわれた時な 」
「 お〜け〜〜 」
両手にツバをつけて
途中まではオレの肩に乗せた
隙間から、まず覗く
「 … りっちゃん 花ちゃんやっぱ
倒れてるか? 」
「 ――― うん
空哉、もうちょい上あげて
…鍵、開けてくる 」
りっちゃんの声が強張る
那智は膝を付き
目を大きく見開いたままだ
ガチャリとドアが開くと
くの字に横たわる 花さんの姿
横顔に、少しだけ顔を近付ける
――― 吐いてない
「 空哉?!
お、花さん変ってマジか?! 」
佐和子が 古山と舞洲を呼んで来た
フロントの人が来て、事態を飲み込むと
『すぐに救急車を呼びます!』と
走り去る