「 ―― ああ
… ハルトさんから聞いたのか 」
「 ううん
こっちの肩だけ、すごく下がってる
―― きっと重いギター
だから、レスポールだと思う 」
ルウは、その碧い目で
ジッと オレを見つめる
「 ―― 弾かねえかもよ もう 」
「 弾いてる夢みたから
きっと弾くよ 」
「 … いつ見たんだよ 」
「 夕べ
えんじいろのシャツ着て
お客さんいっぱいの所で弾いてた 」
「 ―― 他には? 」
「 …んと…よくわかんない
でもなんか、おれがお腹に
好きな人の名前、
タトゥーで入れるって言ったら
怒ってた 」
「 何で腹なんだよ!
普通、胸とか腕とかだろうが 」
爆笑して、ルウの頭を小突く
ルウは一生懸命、他に何かなかったかと
思い出そうとしていて
「 ―― まあいいや
ルウ、立ち食いそばくいに行くか? 」
「 いく!! ほうれん草たべたい! 」