「でもさ。初めてここに来た時。なんで恵理香って僕の家に来たの?こんな森の中、普通は来ないし…。」


その言葉に喉をつまらせる。


なんとなく、龍星の存在を知られたくなかった。


“彼氏”という存在を。




「…散歩してたら。いつの間にか迷っちゃって…」



嘘。


本当は龍星に会う為よ。


でも…



ゆうりの前では、龍星の存在を心に潜めておきたい。


「はっ!?散歩って……。      あはははははッ!!!!じーさんみたいな趣味っ!!」


予想以上に笑われて何だか嫌な気分。


でも、これがわたしの一番の幸せでした。




ありがとう、ゆうり。




わたしに幸せを運んでくれて。




だから、わたし幸せだったよ。