「フローラル♪」


うふふ、と1人で笑ってソファに座る。
ふかふかのソファに座ると嫌なことを忘れられる。



「あれ、もうこんな時間・・・・・・」


ふと見た時計。
11時45分を指していることに気づき立ち上がる。

本当はもっとゆっくりしたかったけど・・・・・・。




「普通にボロネーゼ、でいっか・・・・・・」


キッチンに立ち、棚からパスタを出すと確実にギリギリの量しかなかった。

(あの2人よく食べそうだから、多くしないと・・・・・・。)

そうして私はボロネーゼ作りを始めた。





「料理できるの?」


突如後ろから聞こえた声。


「うわッッ!!!・・・・・・熱っ!」

「ちょ、オマエ・・・・・・、冷やせ!」


温まったフライパンに触ったせいで手が赤くなっていた。

強引に手を掴まれ、水道水で手を冷やされた。


ふわっと匂う、男のニオイ。


「やっ・・・・・・」


その手を払いのけ、押し返す。


「触んないで!!!」