剛志の言葉に、乃里子はクスリと微笑んだ。


「しかも、なんか妙に可愛い子が現れて…
『俺って惚れっぽいのか!?』
って心配してたら、同一人物で…
だから、何だよって思う半面、同一人物だった事が妙に嬉しかった。」


剛志は優しい微笑みを浮かべた。


「強引だったけど…
あの時入部届けにサインしたのは、ちゃんと俺の意思だったよ。
新聞部に入れば、乃里子の事…
もっと知ることが出来るって思ったから。」


乃里子は黙ったまま剛志を見つめていた。


「だから…
あの時から俺…
乃里子に惚れてたんだよ。
…ずっと好きだった。」


剛志の優しい声に、乃里子の瞳から涙がこぼれた。