「逃げるに決まってるでしょ!?
なのに…
こんなやり方、卑怯よ!!」


乃里子は剛志を睨みつけた。


「…卑怯でもなんでも良いよ!!
俺は乃里子に話があるから…」


「だからこうして来てあげたんじゃない!
…話って何よ…」


乃里子が気まずそうにブースの外を見ると、放送部員達は慌てて放送室を出て行った。


剛志はマイクのスイッチを切った。



…−−−…



『生徒会からのお知らせです。
後夜祭の準備が出来ております。
速やかに校庭に移動して下さい。』


「あーぁ…
終わっちゃたよ…」


「行こっか?」


残念そうな顔で、生徒達が校庭に向かって行く。