「生徒の皆さんは…?
ちょっ、なんですか!?」


剛志は放送室に飛び込むなり、ブースに駆け寄った。


「いやっ…
困ります!!」


女生徒は抵抗しようとマイクを握り締めた。


「いいから貸せ!」


剛志が怒鳴ると驚いて手を離し、怯えたようにブースを出た。


ブースの外から数人の放送部員が心配そうに剛志を見つめていた。



…−−−…



「…何?」


突然スピーカーから聞こえた剛志の声に、乃里子は思わず廊下に飛び出した。


乃里子は女子トイレに隠れていた。


いくら剛志でも、女子トイレには入って来れないだろうと考えた。


乃里子の予想通り見つかることは無かったが、まさか剛志がこんな事をするとは思わなかった。