「俺との約束、ちゃんと覚えてるかい?」


隆晶が尋ねると、剛志は力強く頷いた。


「覚えてる。
1.乃里子を泣かすな
2.泣かせたら、乃里子が笑うまで謝り続けろ
3.チャンスは一度だけ…
そう、一度だけだ…」


剛志は自分に言い聞かせるように言った。


「そう。
一度きりだよ、剛志。」


隆晶はそう言うと、剛志に入部届けを渡した。


「ありがとう、隆晶。」


剛志は笑顔でそう言うと、生徒会室を飛び出した。


「全く…
落ち着きがないなぁ…」


隆晶は苦笑いを浮かべながら、扉を見つめた。


「剛志なら良いさ…
大丈夫だ。」


隆晶はそう呟くと、少しだけ寂しそうな顔で窓の外を眺めた。