「で、何の用?」


首をかしげる隆晶を見て、剛志は気まずそうに目を伏せた。


「乃里子から…
いや…
何でもない。」


剛志はため息をつくと、隆晶を見つめた。


「乃里子を泣かせた…
俺が、乃里子に誤解させるような事言ったから…
だから俺が悪い。」


剛志はそう言うと頭を下げた。


「…そうか。」


隆晶は悲しそうに目を伏せた。


「でも、乃里子見つけてちゃんと話す。
だから…
だから、入部届けをくれ。」


「…さっぱり意味が分からないよ?」


「意味なんて後でいくらでも説明してやる。」


剛志が手を突き出すと、隆晶は呆れたようにため息をついた。