「いらっしゃい♪
遠かったでしょ?」


玄関で澪に迎えられ、乃里子と剛志は苦笑いを浮かべた。


こんなに広いお屋敷なのに、澪は普段と変わらない姿でのんびりとしている。


乃里子や麻里の家とは大違いだった。


「さ、上がって?」


「「お邪魔します。」」


二人は応接室に通され、澪はお茶の用意をしにリビングに向かった。


「澪、操(みさお)のリボン知らない?」


扉が開いて、女の子を抱えた男の人が客間に入って来た。


「あれ、乃里子ちゃん?
ごめん、来てたんだね。
いらっしゃい♪」


「こんにちは、臣さん♪」


乃里子が微笑むと、臣は女の子を下ろして手を繋いだ。


「操ちゃんも久しぶり♪
ちょっと見ない間に、また大きくなったね?」


乃里子は操に微笑みかけた。