「とにかく澪ちゃんに協力してもらうしかないわね…
剛志もちゃんとお願いしなさいよ?」


「おう。」


剛志の手には手土産のケーキの袋が握られている。


住宅街を抜け、森林公園の脇道に差し掛かった。


「良い場所だな。」


心地好い空気が流れる中、脇道を抜けると可愛らしい洋風建築の屋敷が現れた。


「ここよ。」


乃里子はインターフォンを押した。


「はーい、どちら様ですか♪」


「乃里子です。」


「あっ、いらっしゃい♪
どうぞ中に入って?」


ゆっくりと門が開き、乃里子と剛志は敷地に足を踏み入れた。