乃里子が驚いて聞くと、梓は言ってなかった?と微笑んだ。


「そうだったんですか…
じゃあ、この問題教えてください♪」


乃里子は何事もなかったかの様に、甘えた声で梓に笑いかけた。


「良いわよ♪」


乃里子は適度に頷きながら、本来悩むはずのない問題を悩んだふりをしながら解いていった。


「ほら、簡単でしょ?
つまらない所で引っ掛かってたみたいね?」


梓は優しく微笑んだ。


「そうみたいです。
ありがとうございました♪」


乃里子は軽く頭を下げると、教科書とノートを片付けた。


「梓さん、質問しても良いですか?」


「なぁに?」