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ゆっくり瞼を開けると見知らぬものが目に飛び込む。


え、ここどこ…?




追い付かない頭。


『あ、目覚めた?』



低音だけど優しく喋りかける誰か。


ゆっくり声がする方に頭を向けると男が立っていた。


170センチ位だろうか、ちょっと普通よりは低めの身長で茶色とシルバーのツートーンに茶色い瞳。耳には意外にも左右に1つずつのシルバーピアス。肌は結構白く綺麗という言葉が似合う。



『もしかして覚えてない?』


目を見開いてびっくりしてる謎の男。



小さくベッドの中であたしは頷いた。



『結婚式場のロビーであんたに話しかけたんだけど』


あたしのベッドの脇まで男は来て床に腰を下ろした。


「結婚式…………あ…。」



全部思い出した。熱があるのに無理して先輩の結婚式に行ってロビーで泣いてるとこ見られてていきなり腕掴まれて………。



「あの…ここどこ?」


挙動不審に周りをキョロキョロ見渡すあたし。




『あ、ここ俺の家』



意外にもあっさりと答えるコイツ。



勝手に女の子上げたりして…



怪しい男の部屋にいつまでも居られない。



ガバッと起き上がろうとするあたしはあっさりと男の手によってベッドに寝かせられた。



『まだ熱あるんだから起きるなよ』