バスタオルを持ってくると、ジンの髪を拭く。


ジンは大人しく、されるがまま。








ふいに、ジンの肌に指先が触れた。



瞬間、私はさっと身を引いた。


それは、まるで指先から電流が走ったような感覚で。




ジンの肌は熱く、私は指先が痺れているような錯覚さえ起こす。




「どうしたの?ツバサちゃん。」



ジンは、そう言って私を見つめる。






その綺麗な瞳に、私は身動きも出来なくなった。




……一体、どうしたって言うんだろう。


まるで、可笑しくなってしまったみたいだ。







「ツバサちゃん?」


「ッ!!」




私は、ジンの頭からタオルを被せた。


「え??」


「自分で拭いてよねっ!!」





その場から逃げ出すように立ち上がり、私はキッチンへ戻る。



……イカれてるどころの話じゃない!






ジンに見つめられながら、私は一瞬とんでもないことを思ったのだ。



そして、あと1秒でも遅ければ、そうしていたかもしれない。






顔が熱い。耳が熱い。



胸の内が、嵐の夜のように騒めく。







プリンのことは、忘れていた。