今夜の夕食は、明太子スパゲッティにした。
バターをクリーム状にして明太子と混ぜる。
スパゲッティには、たっぷり塩を入れて茹でたあと、明太子バターを混ぜ合わせて、きざみ海苔をかけて完成だ。
食べる時にスダチもかければ、いいアクセントになるはず。
キッチンに立つ私の横で、ジンは暇なのか料理をする私を眺めていた。
「美味そう!」
「…ちょっと。座って待っててくれない?横にいると気になるから。」
「え〜。」
「…じゃあ、手伝って。」
「え〜。」
……じゃあ、何がしたいんだよ!お前はっ!!
バターと明太子を混ぜていると、ジンは屈んで覗き込むようにした。
「イイ匂い♪」
「…………。」
横から、そうしているジンの顔が近くて、私はドキッとしてしまう。
途端に息苦しくなって、また胸の奥がきゅーっと縮んでいく気がした。
インターホンが鳴ったのはその時で、私は現実に引き戻される。