「広いし、日当たりいいし、最高だよね〜。」
食後、歩美は温かい午後の日差しが降り注ぐフローリングの上でゴロゴロしている。
「もう、すっかりゴミ屋敷じゃないし〜。」
「ゴミ屋敷は卒業したの。歩美、紅茶いれたよ。」
「あっ!ありがとー。」
檸檬の輪切りを浮かべた紅茶を見つめて、
「イイ匂い。」
と歩美は呟く。
「今日は?これから、どうする?」
「あ〜!ゴメン。」
紅茶を啜りつつ、歩美が口を開いた。
「私、今日さ、八重サマの舞台行くから。」
「またぁ?これで何回目よ?」
「6回目!」
私は溜め息を吐く。
沢崎八重は、現在初めての舞台で芝居に打ち込んでいるらしい。
ちなみに、歩美が観劇に行くのは、今日で6回目だ。