「じゃあ、行ってくるからね!」
そう言っても、ジンはぼんやりとしていた。
まだ半分夢の中みたいな顔をしている。
「つまんないなぁ。」
「え?」
「ツバサちゃんが学校に行っちゃうとツマンナイ。」
「……何言ってんの。」
イチイチ胸キュンなセリフを吐く愛犬。
リアクションに困っていると、
ジンは後ろから抱きついてきた。
「なんて、嘘。しっかり勉強しておいで。」
「……ペットのクセに。」
甘えたな顔をしてみたり、年上らしくなってみたり、ジンの表情はコロコロ変わる。
私を抱きしめる腕に力がこもった。
瞬間、私の心臓が飛び跳ねる。