ジンは、私を見下ろしている。
真っすぐな瞳に射ぬかれて、もうダメだ、と思った。
完敗だ。
いやに、自分の鼓動が耳に響く。
「ヤキモチだよ。悪ィかよ。」
「…………。」
自分の中の体温がどんどん上昇していく。
ぜったい、顔真っ赤だ。
それを見られたくなくて両手で顔を覆うと、
ジンはイタズラっ子のように言った。
「なぁに?恥ずかしいの?」
「ッ!……もぉ…分かったから、どいて………。」
消え入りそうな声で言うが、ジンは言うことを聞いてくれない。
「ダーメ。」
「ッ!」
このドS!!、と心の中で叫ぶ。
まるで、“ご主人サマ”と“ペット”の立場まで逆転してしまったみたい。
「ご主人サマは頼りないね。心配だから、ちゃんとしるしをつけておかないと。」
「ふぇ?」
ジンは、私の両手を片手で抑え込んでしまう。
頭の上で自由がなくなった手は動かせない。
ゆでダコみたいな顔を見られたくなくて、私は顔を背ける。