眉間に皺を寄せて考え続けていると、いつの間にか瞳を開けていたジンと目が合う。
くりっとした瞳が、私を見上げていた。
……ペットにしか見えなかったのに。
マジで犬に見えたことだってあるくらいなのに!
……今は…、王子様に見えてしまう。
ジンは不思議そうに口を開いた。
「どしたの?ツバサちゃん。」
「え?」
「何か悩み事?俺、聞くよ!」
「い、いや……。」
「ほら、話してみてよ。俺に出来ることなら、力になるし!」
「………デキルコト?」
「うん♪」
………ごめんなさい。
天使サマ。
私は悪魔に魂を売ります…………。
「…あ、あのね……ジンにお願いがあるの。」
「うん!」
「…………私に……キ……。」
「木?」
「キ、キ…キ……キ〜………いやぁーーー!!やっぱり無理っ!!言えない!!」
「え!?あっ!うっわっ!!!」
私は両手で顔を覆い、すっくと立ち上がる。
その拍子に、ジンは私の膝から……そしてソファーから転げ落ちた。