ラジオから流れる洋楽は、昔ママと見た映画の主題歌だった。
私は、それに耳を傾けながらジンの髪を撫でていた。
ソファーに座る私の膝にジン………膝枕状態パート2。
洗いたてのジンの髪は手触りが良く、指先で梳くように撫でてやると、
ジンは瞳を閉じて満足そうに微笑んだ。
それだけの事なのに、私の心は騒ついてしまう。
今までただのペットにしか見えなかったオトコが、ただのオトコに見える。
艶々の黒い髪、すっと通った鼻筋、シャープな輪郭、唇。
…………。
………………。
私、ジンとキスしたんだよね……。
そう思い出した瞬間に、あの時のキスが鮮明に甦った。
ピンクな回想が繰り返し脳を支配する。
あっちに行けっ!ピンク!!、と思わず頭を振ってしまった。
……ジンは、どう思ってるんだろう――…。