全く、こっちは急いでるっていうのに。
本当にKYな男だ。
……まぁ、でもね、
カッコ悪いヤツになるのも悪くない。
もしかしたら、タダの負け惜しみに見えたかもしれないし、強がりにだって見えたかも。
でも、私の中にしっかり一本の線があって。
負け惜しみでも、強がりでもなくて。
私を慕ってくれた可愛い後輩と、かつてスキだったオトコがHAPPYならイイなぁ、
なんて思ったのだ。
恋によって変わったナナセちゃんの気持ち、分かるし。
私も、きっと同じ。
恋に落ちて、自分の中の何かが弾けた。
あの夜のキスが、
私に魔法をかけたんだ。
瞳に映る世界はカラフルで、腐りかけていた毎日が宝石のように輝きだした。
さぁ、帰ろう。
ジンが待ってくれているから。
おウチへ帰ろう!