「あっ!誰か来た。」 「へ?」 私は浴室を出る。 「風邪ひくといけないから、ちゃんと身体拭いてねっ!」 足を拭いて、バスルームを後にする。 あぁ。もう。私が着ているジャージまで濡れてしまった。 駆け足で、インターホンを手に取った。 そして、モニターに映し出された人物。 私は、それを確認して思った。……あの人だ。 この部屋を、ときどき尋ねてくる唯一の人…………。