食事の前にふぁんたがわたしのイスを引いたり、物を取ってくれたりする度に、集まった奥様達はほうーっと羨ましそうにため息をついた。



それによって自分の夫をけなしている奥様達に向かって、ふぁんたは国民性の違いを強調した。



そして、日本男児のいいところを褒め称えた。



おかげで主任のご主人はすっかり上機嫌になった。



奥様達も自分の夫の長所を恥ずかしそうにしながらも披露し始めた。



ふぁんたはややもすると会話の場から浮いてしまう美和を、上手に輪の中に入れた。



美和は最初小声で

「余計なことするな!あたしは孤独が好きなんだ!」

と言っていたが、しまいに両親が驚くほど素直に場に溶け込んでいた。




パーティは和やかなうちに終わった。