「いい加減にしなさいよ!黙って聞いてりゃ言いたい放題。ローストチキン突っ込まれたくなかったら今すぐその口を閉じて、食事時以外は開けるんじゃない!」


わたしは美和のほっぺたを引っ張って言った。



「姉さん!!」



「うるさいふぁんた!我慢にも限度がある」


わたしの怒りは沸点に達していた。



「違うよ、ローストチキンを突っ込むのは罰ではなくて、お腹がへってるこの子にはご褒美だよ。小さい頃悪態をついたとき、母さんは有無をいわさず石鹸で僕の口を洗った。その味の酷いことといったら!一週間は食事がまずくてまいったよ」


ふぁんたは美和の顔を覗き込んでニヤリと笑った。