「タキちゃんがボーっとしてる顔。可愛すぎてちゅーしたくなっちゃう」
「なっ!」
卓哉の発言にボッと顔に火がついた
本当に嫌になっちゃうよ、卓哉
こんな恥ずかしい言葉を簡単に言っちゃうなんて
「ふふっ、タキちゃん。照れてる」
「てっ、照れてなんかないよっ!」
説得力のない顔で言ったって信じてもらえないけど勢いよく反論した
だってこれじゃあ、卓哉の思う壺なんだもん
「卓哉は人をからかうのが好きなの?」
二本目のイチゴミルクをちょこちょこと飲みながら上目遣いをする卓哉
小悪魔並みの卓哉
コイツを彼氏にしたら間違いなく大変だよ
目に見えてる・・・
「ううん?違うよ?」
「へ?」
意外な答えだった
卓哉だったらきっと、そうだよーなんて軽く言うと思ったのに
「タキちゃんだからだよ」
やっぱり卓哉は手強い
私より一枚も二枚も、もしかしたら三枚くらい
うまい人だよ卓哉
「タキちゃんは特別だからねぇ」
これもきっと奴の気まぐれ
そう、面倒で思わせぶりな奴の気まぐれ
「そりゃどーも」
なんていいながらも結局私は
奴に翻弄される
「ハァ?ごっ、合コン?!」
目の前のおチャラガールを今回ばかりはどうにかしてほしい
うん、お願い。今回だけは
「もう大希ぃー、合コンほどじゃないよー!ファミレスで男の子とお茶会ー」
「それも合コンにはいるからね?!名前変えたって一緒だかんね?!」
それは卓哉の気まぐれ・・・がまだ発揮されていない
あさっぱちの教室の出来事
目の前にいるあまりにも私と不釣合いなオンナ
髪の毛なんて毎回明るくなっていって
目なんて比べ物にならないくらい大きいし
スッピンが予測できないほどの化粧
新垣初音-アラガキハツネ
「えー知らないー、初音わかんなーぁい」
「初音?!もしかしてこのために呼び出したの?!」
この人の脳は卓哉並に理解不能
何故、このためだけに6時30分に学校に登校しなきゃいけないのか
「そうだよーい。一緒に遊ぼうじぇーい」
「ハァ・・・・」
”話したいことがあるから急いで学校にきて”
なんていっつも絵文字やら何やらで読みにくいメールのくせに
今回ばかりは絵文字なしの普通に読める言葉
焦るに決まってるでしょうが?!
「あははー、絵文字忘れてたー」
「・・・・」
人の気持ちを考えてないなこいつ
確信犯だよ、ほんとうに
「まぁ、気分転換ってとこ?大希、最近暗いからさ」
「初音・・・」
と思っていたけどなかなかイイ奴だった
気分転換に・・・なんて初音の口から出るなんて驚きだ
いっつもキングオブ自己中ですから初音さん
自分の言い分がとおらないと暴れちゃいますから初音さん
なのによく成長してくれました初音さん
本当最高ですよ初音さぁーん!
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「きゃはははーっ、初音ぇー。男の子ってよくわかんないからぁ」
「そうなんだ、意外ーーっ」
「よく言われるー、本当はぜんぜん男慣れしてなくてぇー。今もすっごい緊張してるぅ・・・」
「マジ?!俺ウブな子好きだなぁ。初音ちゃんギャップがいいよね」
・・・あぁ私
なんで初音を誉めちゃったんだろう
すっごい馬鹿だよ私
初音が人の期待を裏切ってしまう奴ってことを忘れていたよ
現在やっぱりファミレスでお茶会
男5人、女5人
私と初音、初音の知り合いの女3人と5人の男と
明らかに私だけ浮いていた
やっぱり初音、一番目立っていてほとんどの男を虜にしている
何が男慣れしてないだ、毎回かわってるじゃないの
”この前の男は下手すぎたよ、ソノ前のも変な性癖をお持ちだったしね。そんなプレイのぞんじゃいねぇーよ!”
なんて私がついていけない愚痴を軽く言っていた初音さん