「………あ!忘れてた。」


シャネルが行くと、ユウマは声をあげた。


何か、忘れていたようだ。


「ん?どーかしたのか?ユウマ」


翡翠が聞くと、ユウマは答えた。


「実は僕には、双子の弟がいて…
この街の出口で落ち合うように
なってたのを忘れてました!!」


と、慌て気味で言った。



「そーなのか?出口………
どっちのだ?」


翡翠がこう言ったのは、

フェノール街の出口が四つほど
あるからだ。



「双子か。珍しいな。」



シャネルが言うには、
あまり見たことがないらしい…。


「珍しいのか?俺んとこの地方、
フィーガンマ街では普通だぞ。
逆に双子の方がいる。実際、
俺と兄貴は双子だったし」


どこか遠くを見ながら、
翡翠が言った。



兄貴の事を話すとき、翡翠は
いつもどこかを見ている。


兄貴の事を思い出している
のだろう……。



「翡翠さんも双子だったんですね。
ええっと、正しい方の出口
だったと思いますよ♪」



ユウマが嬉しげに言う。


「あっちか。てかユウマはいつまで
俺やシャネルの事、さん付け
するんだ?いらねェよ、
仲間なんだから」



ユウマの自分達に対する
呼び方について翡翠が言った。



するとユウマは…………。