夏真っ盛りの8月。
うるさいセミに苛立ちを感じつつ、クーラーをガンガンにきかせた。


今、俺んちに幼なじみがきてる。
葉月七瀬【はづき ななせ】17歳。

俺と同じ星鈴学園高等学校に通ってる。

「七瀬何か飲む?」
「うん!」
「じゃ、いつもの持ってくるから!」
「ありがと歩夢」

歩夢とは俺のこと。
俺は、池森歩夢【いけもり あゆむ】七瀬と同じく17歳。

俺たちは、高校2年生になった今でも、2人で出かける。
決してデートじゃない。
七瀬は俺のことをキョウダイとしかみてないんだ。

家は隣、学校も同じ。
小さい頃からずっと一緒だった。

中学時代から親同士が、すごく仲良いからってのもある。

いつもお互いの家を行き来しては、泊まる時も‥。
隣なのにだ。
でも俺は、その環境が好きだ!

理由はもちろん1つ。
七瀬に会えるから!
たったそれだけ。

もうわかったと思うけど‥俺は、葉月七瀬が好きだ。
七瀬は俺の気持ちに気づいてないし、七瀬にとって俺はキョウダイのような存在‥。

だけど、ずっと想ってる。
七瀬が好きって気づいた‥7歳の時から。