ピンポーン・・・

あたしは学校を飛び出した勢いで蓮の家に来てしまった。

なんかあったら家に逃げ帰ればいいよね、うん。


「はい・・・あ!奈々ちゃん、いらっしゃい。」

扉を開けてくれたのは蓮のお母さん。

「おばさん、蓮・・・いますか?」

「部屋にいるわよー。」


「ちょっと用があって・・・」

「じゃあ上がっていきなさい。」

「おじゃましまーす・・・」


蓮の部屋は2階。

あたしは階段をゆっくり登り始めた。

登って行くのと同時に押し寄せる緊張感。


登り慣れた階段なのに。

行き慣れた部屋なのに。

どうしてこんなにドキドキなんだろう?


そっか・・・あたしはこれから好きな人に気持ちを伝えるんだ。